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 ■かみるれ ダンス
   フィルムの公開
 ■かみるれ・くらぶ
 ■河下亜紀




(有)ランドスケープ
代表 野中 剛

 数年前、取材先で偶然“かみるれ ダンス”という小さなグループに出会いました。
“かみるれ ダンス”とは、ダウン症の子どもたちとその母親たちで構成された会 “かみるれ・くらぶ”、その活動の一つとして始まったダンスの会です。講師にはダンサーであり振付家の河下亜紀を迎え、毎月数回、ワークショップ形式でダンスを踊っています。

 ダンスというと、多くの方が近年流行しているヒップホップを想像されることと思います。しかし “かみるれダンス”で人々が楽しんでいるダンスは、身体遊びの動きから始まる自由な動きのダンスです。
 一般的にダンスと呼ばれるものには、決まった型(振り)があります。しかし、“かみるれ ダンス”のダンスには、そんな型(振り)がないのです。型(振り)のない自由な動きのダンスは、絵画で言えば抽象画のようなもの。それのどこがダンスなの? という印象も与えるかもしれません。

 “かみるれ ダンス”にあるのは、成熟、完成したダンスの姿ではなく、“踊り”の誕生の姿です。
 振付家 河下亜紀は、何気ない遊びのような身体の動作からスタートし、参加者の中に“踊ること”を芽生えさせていきます。遊びの動きを“踊り”の動きに変容させていきます。そして、“踊る”という意志を持った身体の動きは さらに舞踊性を強め、参加者を輝かせていくように見えます。

 私は そんな“かみるれ ダンス”に興味を持ち、カメラをまわし始めました(かみるれ ダンス フィルム)。マイノリティーである障がい者の身体の動きに美を見出す、といったセンチメンタルな理由からではありません。
 動くことと踊ることの境目はどこだろう? 踊るとは一体何だろう? 人はなぜ踊るのだろう? 踊りとは何だろう?
 “かみるれ ダンス”における “踊り”の誕生の姿を通して、人間と踊り、人間と芸能に関する初源的な姿を垣間見ることができると思うからです。

 かみるれ ダンス フィルムは、そもそも“かみるれダンス”関係者のみで楽しむつもりで制作した 何気ない短編フィルムです。制作の当初から非公開のつもりでいました。
 しかしある日、こんな話を耳にしました。ダウン症のお子さんを産み、将来への不安で元気をなくしていた母親が、かみるれ ダンス フィルムを見たら元気になった。
 そんな話を知ったことをきっかけに、かみるれ ダンス フィルムの 一般公開を決めました。
 悩みを抱えた多くのお母さんたちにご鑑賞いただき、ほんの少しでも前向きな気持になっていただければ嬉しく思います。“希望”を感じていただければ嬉しく思います。


*各タイトルをクリックすると、別ウィンドウにて 動画が無料鑑賞できます。



かみるれ・くらぶ
 平成7年(1995年)にダウン症の親たちが集まってつくった自主グループです。
 メンバーは東京都小金井市とその周辺の市に在住している子どもたちとその家族で、医療、療育、教育、福祉に関する正しい知識や情報を相互に学び、会員の親睦を目的として活動しています。
 団体名の「かみるれ」とは、一般にカモミールと呼ばれているハーブの和名で「母なるハーブ」とも言われています。花言葉は“逆境に負けない強さ”。子どもたちが強く育ってくれるようにという願いが込められています。

【主な活動】
 父母会、勉強会、講演会、広報誌の発行、リトミック、ダンス、個別指導、ベビー療育活動、施設見学、クリスマス会、夏合宿、デイ・キャンプ、きょうだい会、他



河下亜紀
舞踊教育家、ダンサー
 幼い頃よりダンスに親しむ。1989年 大阪体育大学卒業。1992年から1997年まで、ケイ・タケイ's ムービング・アース オリエンツスフィーアのメンバーとして、国内・海外公演に参加。数々の即興ダンスを踊る。2000年、インクルーシブ・アート指導者養成コース(ミューズ・カンパニー主催)を修了。その後、主にヴォルフガング・シュタンゲと若栗文則から指導を受け、障がい者とのダンス・ワークショップの主催を始める。現在も日本全国で、身体遊びから始まる自由な動きのダンスのワークショップを行なっている。
 2013年からは、ティア・ドライ・ダンス・カンパニーを主宰し、ダンサー、振付家としても公演活動を行なっている。


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